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ゆっくりと、まったりと 流れてゆきたい

2019年09月04日

竿と魚と、小さな私

アメリカのとある田舎町にウィンストンと言う古くから続く竿のメイカーが有ります。

竿と魚と、小さな私

ここにはかつて、竹で竿を作っていた伝統のある作業所が有りました。

竿と魚と、小さな私

そこには、良き仲間たちが集い
一日の終わりの仕事終いには
かならず、「さぁ、釣りに行こうか!」との掛け声が聞こえていたとか。

竿と魚と、小さな私


私も、グレンの竿を握りしめて、声を上げてみます。

「さぁ、釣りに行こうか!」




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竿と魚と、小さな私


この日は、雨がちな天気ながらも
そらは、その涙を堪えている様に、今にも泣きだしそうな気配

竿と魚と、小さな私

私は、渋い当たりと小さな魚に見切りを付けて

かつて、暮らした懐かしい川の畔へと
足を向けたのでした。

その沢は、私が提灯釣りを覚えた時分に
随分と良い思いをした場所で

懐かしい景色を探しながらの遡行

一段、上がるごとに胸が鳴り始め

遂に訪れた、大場所で、、その出会いは
不意に訪れたのでした。



一段下より、畳んで流すラインの先に
大きな疑似餌。

凝視する針の先を、何かが横切った瞬間

私の疑似餌の直ぐ下に

奴は現れました。

堂々とした並走と、鋭い眼光
流れる針と魚との距離はチジミません。

畳んだテグスは、まだ伸びない、まだ行ける、まだ行け・・・

そう思った瞬間

奴は意を決した様に、その距離を詰め、

鼻先と針が被った瞬間。



虚しく、合わせを入れたラインは宙を舞いました。

竿と魚と、小さな私


その瞬間、私は雷に打たれた様に、ビリビリと電流に打たれました。

「敗れた!」 「今確かに、俺は奴に敗れた」

私は敗れ、あの魚は
その生を、勝ち取りました。





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このまた先日の話

私は、仕事のついでに東京で
長女との時間を持てました。

食事に誘った私に、彼女は程よく乗ってくれて。
チェーン店ですが、楽しい食事が出来ました。

安い品ですが、「うまい、うまい」と本当に美味しそうに食べる
その姿に、私も一緒に「うまい、うまい」とやらかしたものです。

よくできた娘で
小遣いを上げようにも、「大丈夫」と言って受け取りません。

私にはなにが大丈夫なのか、分からず。
せめて喜んで受けてくれれば、安心も出来るのに。



先日、娘は私の病院へ 同行してくれました。 
ピザ屋さんへ行った あの日です。

精神科の診察室で、話をする 私と主治医の会話に
耳を傾けながら、ちょこんと 座るその姿には
もう、かつてのあの娘の姿は有りません。

その医師が御嶽山噴火の時に、ボランティアで心のケアに出向いた
そんな話には、彼女も感銘を受けたようです。

東京で一人暮らしを始めて二年
大学ではボランティアですか、
活動を企画実行する委員として頑張っているようです。

すっかり、一人の大人へと脱皮した姿に
うれしさと、ちょっぴりの さみしさ

本当に、大学へやって良かった。




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いま、私はとても狭い世界に生きています。

心の視野は狭く、小さな了見ばかりで生きています。


自慢げにモノばかりに執心し

それが さも実力であるかのように見せる

そんな さみしい生き方は
本当に くだらないと思う。


大切なものは、ほんの僅かな 儚いものです


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カナ カナ カナ・ ・ ・
日暮らしの鳴く声が聞こえた気がします。



そんな声なき声に、耳を傾けつつ、、



今日もまた、夕暮れ時の湖の畔で


巣立った小鳥を

ただ、ぼぉっと   眺めている

そんな小さな私が、此処にはいます。










タグ :小さな私

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